メダカの越冬グッズおすすめ|屋外で冬を越すための道具を専門店が解説
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「冬のメダカ、何を用意すればいいの?」
「発泡スチロールや落ち葉って、本当に必要?」
「買ってよかった道具だけ知りたい」
秋が深まると、こうしたご相談が増えてきます。越冬グッズは探すといろいろ出てきますが、当店が実際に使っているものは、実はそれほど多くありません。
この記事では、横浜で屋外越冬を続けているメダカ専門店が、冬に向けて用意しておきたい道具と、買わなくていいものをはっきり分けてお伝えします。
越冬グッズを選ぶ前に|必要なものは思っているより少ない
当店は加温をせず、稚魚もダルマもすべて屋外で冬を越しています。それでも8割から9割の子が春を迎えます。
特別な道具を使っているわけではありません。効いているのは「深さのある容器」と「毎日の観察」の2つです。
越冬に効くのは「深さのある容器」と「観察」
冬の水は、水面に近いほど冷たく、底にいくほど暖かくなります。深さがあれば容器の中に「暖かい場所」ができ、メダカはそこでじっとして冬を越します。
そして観察です。水温を見て、メダカが底にいるか水面にいるかを見る。冬にやることはほぼこれだけなので、見るための道具(水温計)が2番目に大事になります。
落ち葉・柿の葉は「必ず必要なもの」ではない
越冬の情報を調べると「柿の葉を入れる」「落ち葉を入れる」とよく出てきます。入れる方の狙いは主に3つです。①柿の葉から出るタンニンに抗菌作用があるとされること、②メダカの隠れ家になること、③葉の周りに微生物がわいて冬の餌になること。この効果を期待して入れている方が多いようです。
当店では入れていません。いちばんの理由は、メダカが葉の下に隠れて観察しにくくなり、病気を見逃しやすくなるからです。抗菌作用については、効果を感じたことがありません。それよりも、急に暖かくなった日に葉が傷んで水が悪くなるほうが怖く、急激な水質悪化を招く危険があります。微生物を餌にしたいなら、最初からオオミジンコを入れておけば足ります。
入れて飼育がうまくいくと感じる方は、入れていただいて構いません。ただ、必ず必要なものではないということは知っておいてください。当店は入れるメリットを感じず、むしろ飼いにくくなるので入れていません。
【最優先】深さのある容器|タライにこだわらず「深め」を選ぶ
越冬のために1つだけ用意するなら、深さのある容器です。当店ではジャンボタライをよく使っていますが、一般のご家庭では大きさと置き場所の面で難しいと思います。トロファストやバケツのような、浅い容器より深めの容器を選べば十分です。タライにこだわる必要はありません。
なぜ「深さ」が効くのか
浅い容器は水全体が冷え切ってしまい、凍結もしやすくなります。深さがあると底に暖かい水の層が残り、水面に氷が張ってもメダカは底で生きられます。
メダカ飼育でよく使われるNVボックスや浅めのトロ舟は、夏は使いやすいのですが、越冬にはやや不利です。冬だけでも深めの容器に移すことをおすすめします。
サイズの目安は1匹あたり2〜3リットル
冬は餌をあげないので、メダカは水中の微生物を少しずつ食べています。過密だとその分け前が減り、少しずつ痩せてしまいます。
目安は1匹あたり2〜3リットル。60リットルのタライなら20〜25匹くらいまでに抑えると、春まで体型を保ちやすくなります。深さのある容器の一例として、当店で使っているタライを載せておきます。
水温計|「水温10℃」を見極めるために必要
冬の管理の判断は、ほとんど水温で決まります。餌を切るのは水温が10℃を下回ってから、春に再開するのは10℃を超えてメダカが水面に上がってきてから。目で見て分かるものではないので、水温計は必須です。
最高・最低が記録できるタイプが便利
冬に本当に見たいのは「今の水温」より、「今朝どこまで下がったか」「日中どこまで上がったか」です。朝晩と日中の差が大きい日は、メダカの体調が崩れやすい日でもあります。
最高・最低水温を記録してくれるデジタル水温計なら、朝に1回見るだけで一日の動きが分かります。
屋外なら浮かべるタイプが手軽
容器に浮かべておくだけの水温計は、安くて壊れにくく、複数の容器に1つずつ置きやすいのが利点です。容器が複数ある方はこちらが向いています。
風よけ・置き場所|壁際に置いて寒暖差を小さくする
冬の敵は寒さそのものより、急な寒暖差です。日中20℃近くまで上がって朝晩は冷え込む、という日が続くと、水カビ病が出やすくなります。
蓋はしない。風を避ける
容器に蓋をすると保温はできますが、中が見えなくなり、観察の回数が確実に減ります。当店は蓋をしません。
その代わり、北風が直接当たらない壁際や建物の南側に容器を置きます。風が当たらないだけで、水温の下がり方はゆるやかになります。
冬は日差しをさえぎらない
夏の日よけに使ったすだれは、冬は外します。当店では冬にすだれは使っていません。冬は日中に水温を稼ぎたい季節なので、上からかぶせて日差しをさえぎるのは逆効果です。風を避けたいときは、壁際に置くか、風上側に板や別の容器を置くだけで足ります。
発泡スチロール容器|寒暖差を抑える。ただし氷は溶けにくい
発泡スチロール容器をすすめる情報も多く見かけます。当店では使っていませんが、メリットははっきりあります。寒暖差を抑えられることです。急に暖かくなる日でも水温が上がりすぎず、朝晩との差が小さくなります。寒暖差が少なければ、メダカは体調を崩しにくくなります。
一方で、水温をキープするということは、温まりにくいということでもあります。氷が張るような日は水温が上がりにくく、氷も溶けにくい。水温を保つ性質は、メリットにもデメリットにもなります。
使うなら、この両面を知ったうえで選んでください。氷が張った日は無理に割らず、自然に溶けるのを待つのが基本です。割る衝撃のほうがメダカの負担になります。
発泡スチロール容器は魚屋さんの箱でも代用できますが、メダカ用に作られたものは壁が厚く、黒やグレーなので上から見たときにメダカの色が見やすいのが利点です。使う方はこのあたりが定番です。
カルキ抜き剤|冬の水換え・足し水は汲み置きが効かない
冬は水換えをほとんどしません。ただ、空気が乾燥するので水はかなり蒸発します。足し水はこまめに必要で、急に暖かくなる日の前には水換えをすることもあります。ここで注意したいのがカルキです。
冬の汲み置きはカルキが抜けきらない
夏なら半日で抜けるカルキが、冬は晴れの日でも1日、くもりなら2〜3日置いても抜けきらないことがあります。当店でも昔、2日半汲み置きした水で多くのメダカを死なせてしまいました。
冬の水換えと足し水は、カルキ抜き剤でしっかりカルキを抜くのが確実です。1本あれば冬中もちます。
室内に取り込む人向け|小型水槽とヒーターの考え方
針子や2cmに届かない稚魚、ひっくり返ってしまったダルマは、室内に取り込むほうが安心です。そのときに必要な道具をまとめます。
小型水槽はセット品で十分
室内の越冬なら、30〜40cmのメダカ用水槽セットで足ります。フィルターとエアーポンプが最初から付いているので、買い足しが少なくて済みます。ただし照明は付いていないので、照明も一緒に用意してください。メダカは光を浴びてビタミンAやDを体の中で作っていて、これが免疫に関わっています。室内は日光が入らないので、照明がないと体調を崩しやすくなり、昼と夜のリズムも作れません。
目安は水槽セット300で5匹前後、400で10匹前後です。
▼コンパクトに始めるなら:水槽セット300+クリアLED フラッティ
▼余裕を持って始めるなら:水槽セット400+クリアLED フラッティ 3040
▼照明用のUSBアダプター
ヒーターは「必須」ではない
室内に入れるだけで、屋外より水温は安定します。健康な成魚を越冬させるだけならヒーターは要りません。
ヒーターを使うのは、稚魚を冬の間も育てたい場合と、冬に繁殖させたい場合です。水温が固定のタイプは安いので、金額を抑えたい方にはこちらで十分です。ただ、少し金額を足してでも水温を調節できるタイプをおすすめします。春先に屋外へ出すとき、屋外の水温に近づけて少しずつ下げていけるので、外に出したときのダメージを小さくできるからです。
まとめ|越冬グッズ早見表
| 道具 | 必要度 | 当店の考え |
|---|---|---|
| 深さのある容器(タライ・トロファスト・バケツ) | ◎ 最優先 | 1匹2〜3L。浅い容器は冬だけでも深めに移す |
| 水温計 | ◎ | 最高・最低が分かるタイプが便利 |
| 置き場所(壁際・日当たり) | ○ | 道具は要らない。風を避け、日差しはさえぎらない |
| 発泡スチロール容器 | ○ | 寒暖差を抑える。ただし氷は溶けにくい |
| カルキ抜き剤 | ○ | 乾燥で減った分の足し水に |
| 小型水槽セット+照明 | △ 室内に取り込む人だけ | セットに照明は付いていない |
| ヒーター | △ | 健康な成魚だけなら不要。使うなら調節式 |
| 落ち葉・柿の葉 | × | 必須ではない。入れるなら理由を理解して |
道具を増やすより、深さのある容器に余裕をもって入れて、毎日水温とメダカを見る。それが当店の越冬です。焦らず、メダカの様子を見ながら冬を迎えましょう。
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