黒天幻龍メダカの特徴|アースアイの選別と固定率、育て方を解説
「黒天幻龍メダカって、どんなメダカ?」「アースアイって、育てれば青くなるの?」「黒いメダカはたくさんあるけど、何が違うの?」
こういった疑問にお答えします。
黒天幻龍(こくてんげんりゅう)メダカは、黒い体に青く光る目(アースアイ)を持つ品種です。体の色や光り方で選ばれることの多い改良メダカのなかで、目が主役になっているめずらしいメダカです。
ひとつだけ、先にお伝えしておきたいことがあります。アースアイは生まれた時にはもう決まっていて、あとから青くなることはありません。ここを知っているかどうかで、選別のしかたが変わります。
この記事では、当店で黒天幻龍を選別してきた経験をもとに、特徴・アースアイの見分け方・固定率・育て方、そして当店のオリジナル品種サブマリーナーが生まれたきっかけまでを解説します。
黒天幻龍(こくてんげんりゅう)とは?目の変化に注目して生まれたメダカ
黒天幻龍は、体の色ではなく「目」に注目して作られたメダカです。黒い体に、青く変化する目(アースアイ)を持つのが最大の特徴です。
改良メダカの世界では、体外光やラメといった「体の光り方」に注目が集まりがちです。そのなかで黒天幻龍は、目そのものの色を魅力にしたという点で、めずらしい立ち位置にいます。
なお、この品種は「黑天幻龍」と旧字体で書かれることもあります。どちらも同じメダカを指しています。
アースアイとは?黒天幻龍から広まった形質
アースアイとは、目が青く見えるメダカの形質のことです。光の当たり方によって、深い青やターコイズのように見えます。
じつはこのアースアイ、出はじめたのが黒天幻龍からです。今ではさまざまな品種にアースアイが乗るようになりましたが、その出発点になったのが黒天幻龍でした。
体外光やラメの多くが幹之から広がっていったように、アースアイという形質は黒天幻龍から広がっていった——そう考えると、この品種の位置づけが見えてきます。
オスとメスで見た目が変わる
黒天幻龍は、オスとメスで印象が変わります。
メスのヒレは黒いのに対し、オスには黄色いヒレになる個体がいます。黒い体に黄色いヒレが差し込むので、ペアで並べるとそれぞれの良さが出ます。
どちらが良いというものではなく、好みの問題です。オスの黄色を楽しみたい方も、黒で統一したい方も、それぞれの選び方ができます。
黒天幻龍の選別|アースアイは生まれた時に決まっている
黒天幻龍を育てるうえで、いちばん知っておいてほしいことがあります。
アースアイは、生まれた時からアースアイです。生まれた時にそうでない個体は、大きくなってもアースアイにはなりません。
これは選別のうえで、とても大きな意味を持ちます。
早い段階で選別できるのが利点
ラメや体外光は、ある程度育たないと判断がつきません。3cmくらいまで育てて、ようやく「残すかどうか」が決められます。
その点、黒天幻龍のアースアイは早い段階で見分けがつきます。「大きくなれば青くなるかもしれない」と期待して育て続ける必要がありません。
選別が早く終われば、そのぶん飼育密度を下げられます。残したい個体を、より良い環境で育てられるということです。
親に残すとき見ているところ
当店が親魚を選ぶときに見ているのは、「黒さ」と「アースアイの青さ」の2つです。
体がしっかり黒く、目の青さがはっきり出ている個体を残していきます。
ヒレの色(オスの黄色)は好みの範囲と考えています。黄色を伸ばしたい方はそこを見ればいいですし、こだわらないのであれば黒さと目の青さだけで選んで問題ありません。
黒天幻龍の固定率|60〜70%くらい
黒天幻龍の固定率は、体感で60〜70%くらいです。採卵して育てた子のうち、7割弱がアースアイを持って生まれてくるイメージです。
改良メダカのなかでは、比較的そろいやすい部類に入ります。三色や紅白のように複数の色を同時に出す必要がないぶん、狙った表現が出やすいのだと思います。
片目だけアースアイの個体も出る
両目ではなく、片目だけがアースアイになる個体も出ます。
観賞用としては両目そろっているほうが見栄えがしますが、親魚として使うぶんには片目の個体でも問題ありません。両目の個体がいなければ、片目の個体を親に使っても大丈夫です。
せっかく生まれた個体ですので、片目だからと切り捨てず、活かし方を考えてみてください。
黒天幻龍の育て方|特別な飼育方法は必要ありません
黒天幻龍に、特別な飼育方法は必要ありません。ほかのメダカと同じように育てられます。
水換えは水温に合わせた頻度で、餌は食べ切れる量を。基本を守っていれば、初心者の方でも十分に飼える品種です。
ただし、「どう見せるか」には少しコツがあります。
容器は明るい色がおすすめ
容器は明るい色のものがおすすめです。
黒天幻龍は体が黒いので、黒っぽい容器に入れると姿そのものが見えにくくなります。明るい容器のほうが、体の形やヒレの様子まではっきり分かります。
この品種は「横見」で楽しんでほしい
そしてもうひとつ、黒天幻龍はぜひ横から見てください。
メダカは上から見る(上見)のが一般的ですが、上から見るとアースアイの青さを感じられません。この品種の魅力である目の色は、横から見てはじめて見えてきます。
横見ができる容器や水槽で飼うと、この品種の良さがしっかり伝わります。上見中心で飼っている方にこそ、一度横から覗いてみてほしいメダカです。
黒天幻龍から、オリジナル品種サブマリーナーが生まれました
当店には「サブマリーナー」というオリジナル品種があります。全身が青く光るメダカです。
このサブマリーナーが生まれるきっかけになったのが、黒天幻龍でした。
きっかけは、たまに出てくる「側面が光る子」
黒天幻龍を増やしていくうちに、たまに側面が光る個体(グロウボディ)が出てくることに気づきました。
それを見て、こう思ったのがはじまりです。「この光にラメを混ぜたら、全身が青くなるかもしれない」。
そこで青いラメを持つサファイアと掛け合わせたのが、サブマリーナー作出のスタートでした。3年かけて固定率80%を超えたところで、ようやく発売にいたっています。
掛け合わせて楽しめる品種です
黒天幻龍は、掛け合わせをすると次の世代から青目の個体が出てきます。
つまり、自分の好きな品種にアースアイを乗せていけるということです。手持ちのメダカと掛け合わせて、どんな子が生まれるかを見ていく——そんな楽しみ方ができます。
メダカを飼うだけでなく「自分で作ってみたい」と思いはじめた方にとって、扱いやすい入り口になる品種だと思います。
まとめ|黒天幻龍は「目」で選ぶメダカ
黒天幻龍について、ここまでの内容をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 特徴 | 黒い体+青くなる目(アースアイ) |
| オスメスの違い | メスのヒレは黒。オスは黄色いヒレの個体も出る |
| 固定率 | 60〜70%くらい。片目だけの個体も出る |
| 選別で見る点 | 黒さ・アースアイの青さ(ヒレの色は好み) |
| 判別できる時期 | 生まれた時点。あとから青くはならない |
| 容器 | 明るい色がおすすめ |
| おすすめの見方 | 横見(上見では目の青さが分からない) |
黒天幻龍は、アースアイという形質が広がっていく出発点になったメダカです。そして当店にとっては、サブマリーナーを生むきっかけをくれた品種でもあります。
体の色や光り方で選ぶメダカが多いなかで、「目」で選ぶという視点は新鮮に映るはずです。横から覗き込んだときの青さを、ぜひ一度見てみてください。
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