ブログ

メダカの採卵期間はいつまでするべきか?

8月も終わり、少しずつ秋に向かっていっていますね。

屋外でメダカの採卵ができる時期も、もう間もなく終了となりそうです。

暑さは続きますが、日照時間が短くなってしまっているため、メダカとしては、産卵シーズンは終わりと思い始めているでしょう。

 

この時期に悩んでいる方が多いこととして、いつまで採卵をしていくのが良いのか?ということですね。

毎年、この時期になると質問が多くなります。

今回は、夏の終わりにいつまで採卵をしていくべきかについてお答えしていきます。

メダカの産卵時期はいつからいつまで?

まずは、メダカの産卵時期について改めて振り返ります。

メダカが産卵するために必要な要素は、日照時間と水温の2つです。
日照時間は、12時間以上で産卵のスイッチが入り始め、13時間を超えるとさらに産卵が安定していきます。
水温については、20℃くらいあると、産卵も安定しやすいです。

このことから、屋外でメダカを飼育している場合には、4月~9月中旬くらいまでが産卵時期となります。
なお、個体によっては3月くらいから産卵がスタートしたり、10月くらいまで産卵を続ける個体がいたりもします。
このあたりは個体差によって変わります。

つまり、そもそも屋外飼育のメダカの産卵時期の終了時期が、9月中旬くらいまでですので、そこで自然と採卵はできなくなると思っていただくのが良いでしょう。
その上で、いつまで採卵していくかを考えます。

採卵を続けるかどうかの考え方

採卵をしていくかどうかを決めるための基準としては、越冬までにどれだけ稚魚を大きくできそうか、採卵を続けたい品種がいるかどうかだと思います。

越冬には、ある程度のサイズ感まで大きくしてあげる必要がありますが、そもそもまだ増やしたい品種の稚魚がとれていないようであれば、その子は増やしていきたいですよね。
それぞれの項目について、詳しく解説していきます。

メダカの越冬成功のために稚魚を大きくしよう

メダカの屋外の越冬では、稚魚たちはある程度のサイズ感まで育てていくことが大切です。
具体的には、2cmくらいまでのサイズになっていると越冬もしやすくなります。

このサイズまで冬前に成長をさせていくことが大切になります。
ただし、平野部であれば、2cmがなくても越冬ができる個体はいますので、絶対に必要なサイズではありません。
大きい個体ほど越冬成功率は高くなりますので、なるべく大きくしましょうというお話です。

その上で、9月頃の採卵で意識することは、冬までの日数でどれだけ大きくしていくことができるかです。
この逆算をしていくことが大切ですね!

夏場であれば、当店では2か月もあれば成魚のサイズ(2.5~3cm)まで成長させることできます。
ただ、これからの季節では、徐々に気温が低下していき、それに伴って成長も悪くなっていきます。
これまで夏にどんどん成長させていくことができた方も、秋の成長速度の遅さにびっくりするかもしれません。
特に11月に入ると、日中はまだ暖かいですが、朝晩は冷え込むようになっていきます。
そうなると、餌の食いつきも悪くなっていき、暑い夏のように成長させていくのが難しくなってきます。

つまり、成長させていける時期としては、10月までがラストチャンスとなる訳です。
そうなると、今から採卵した子が7~10日で孵化をしていくとして、その子を成長させていける日数はあとどれくらいか…なんとなくイメージできるでしょうか。
実は、そこまで時間が残されていないことに気付くかと思います。

せっかく孵化できたとしても、うまく成長させてあげられず、越冬できない可能性もありますので、自分のおうちではどれくらいのスピードで稚魚を成長させてあげられるか、考えてみるのも大切です。

越冬成功のために大切な飼育密度について

越冬にはメダカのサイズ感も重要ですが、飼育密度も大切な要素になります。
越冬時には、メダカはほとんど餌を食べなくなるので、餌を与えていくことができません。
餌を食べなくても大丈夫なのか心配になるかと思いますが、案外餌を与えていなくても、冬は大丈夫です。
ただし、飼育密度が高くなっている水槽は注意が必要で、飼育密度が低い水槽と比べると、痩せやすい傾向にあると感じます。
なので、冬に向けて飼育密度を考えての飼育をしていく必要があります。
具体的には、2~3ℓに1匹くらいでゆったりとさせてあげるのが良いと思っています。

話を採卵の方へ戻すと…
この残り少ない採卵シーズンで考えることの一つには、ここで採卵をしたら飼育密度はどうなっていくかです。

メダカは、卵を毎日のように産むので、つい楽しくなって採卵をしていくと、増えすぎてしまうことがあります。
しかし、越冬時には飼育密度を下げていった方が良いので、メダカが既にたくさんいる状態で、夏の終わりに採卵をしていくと、越冬時にメダカがいっぱいになりすぎてしまう可能性があります。
結果的に、越冬がうまくいかない可能性があることを考えると、残しておきたいメダカの数がある程度いるようであれば、採卵は今シーズンは止めてしまってもいいかもしれません。

逆に、まだ増やしたいのにあまり卵が取れていない品種については、最後に粘って採卵をしていくことも良いでしょう。

この時期に採卵した子が大きくなって、越冬時にはどのくらいのメダカがいるのかを想像していくのも大切ですね!

じゃあうちはどうすればいいの??

ここでは、結局採卵はどうすればいいの?ということをまとめていきます。
みなさんの飼育環境によっても変わってくるところですので、私の意見を参考に考えてみてくださいね。

採卵を続けていってもいい方

まずは採卵を続けていってもいい方について。

①そもそも採卵をしていきたいメダカの数があまり取れていない

②越冬までに稚魚を大きくしていく自信がある方

③越冬時に小さい個体は室内に入れられる方

④冬までに成長しなかった子が生き残ることにかける

おおよそこういった考えができる方は、採卵を続けてもいいかと思います。
数が確保できていないメダカがいる場合には、やはり採卵を少しでもしておくと安心すると思いますので、残り少な日数で採卵をしていくのはありです。
ちなみに、当店では、産卵が続く限りは基本的には採卵を続けています。

越冬までにサイズを大きくしていける自信があるけれど、もし大きくしきれなかったら室内に入れていくというのも手です。
室内であれば、寒さもそこまででないことが多いと思いますので、屋外よりは越冬しやすくはなります。
ただし、室内に水槽を入れられる場合ですが…。

あとは、メダカの体力を信じて、稚魚サイズでも越冬をチャレンジしてみるということになります。
その際、少しでも越冬確率をあげるために、飼育密度を下げてあげたり、オオミジンコなど越冬可能な生餌を入れておいてあげるといいでしょう。
こういったことができる方は、採卵を続けていくと良いと思います。

採卵をやめた方が良い方

一方、採卵はここで止めた方が良い方は…

①既にメダカの稚魚がいっぱいいる

②ほしい品種は増やし終わっている

③室内にメダカを持ち込むことはできない

④越冬までに大きくしていく自信がない方

上記のような方は、今年の採卵は終了しても良いかと思います。
特に既にメダカがたくさんいるという方は、採卵を止めてメダカを府やすぎない方が、結果的に越冬の成功率も上がると思いますので、ここでストップしましょう。

これからの季節でどれだけメダカを大きくしていけるかは、地域差もだいぶ出てくることになります。
寒冷地域であれば、そろそろ朝晩も寒くなってくると思います。
そうなると、さらに成長をさせていける期間は短くなります。
そう考えると、室内で飼育をしていけない場合には、かなり小さい稚魚の状態にもなるので、越冬は難しくなるはずです。
ご自身が住んでいる地域の気候によっても、このあたりは変わっていきますので、いつ頃から寒くなるかを考えてみてください。

今後の稚魚の成長率と飼育密度が越冬が成功するか決める!

いつまで採卵をしていくかはとても悩むと思います。
越冬に大切なのが、メダカのサイズと飼育密度にありますので、これからの時期の採卵は、越冬のことを考えた採卵数になっていきます。

うまく成長をさせていける範囲、冬に飼育密度が高くなりすぎない範囲で、メダカを増やしていってください。
気が早いと感じるかもしれませんが、もう既に冬のことを考えていく季節に入っています。

寒くなっていくスピードは、地域差もかなりありますので、お住まいの地域がいつ頃から寒くなるのかも考えつつ、採卵をするかどうかを決めていってください。

屋外飼育の採卵時期としては、9月が最後になります。
悔いのないように、採卵を計画していってくださいね!