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楊貴妃メダカの特徴や育て方、赤くする色揚げ方法、紅帝との違いなど徹底解説!

楊貴妃(読み方は「ようきひ」)は最もポピュラーな改良メダカの種類の一つです。

改良メダカの中でも流通量が非常に多い品種であるため、多くの店舗で販売されているのを見られるでしょう。

シンプルな赤いメダカではありますが、その赤さが水草の緑にとても相性が良く、ビオトープでも非常に綺麗な姿で我々を楽しませてくれます。

楊貴妃はとても丈夫で育てやすいメダカで、また安価に販売されていることもあり、初心者の方にもおすすめできるメダカです。

メダカ飼育上級者の方でも、赤いメダカが欲しい!となると、楊貴妃が選ばれることも多いです。

この記事では、幅広い層に人気を誇る楊貴妃について徹底的に解説をしていきます。

 

 

楊貴妃メダカとは?(作出者、作出の経緯、掛け合わせ)

楊貴妃は2004年にめだかの館さんが名前をつけたメダカです。

改良メダカの先駆け的存在である楊貴妃は、最初は茶系のメダカから少しずつ変異をしていき、完成したメダカです。

そのため、他のメダカとの掛け合わせをしていく中で生まれたメダカではありません。

以下が簡単に楊貴妃が完成した経緯です。

①茶系のメダカを飼育していく中から黄金系(黄色)の色味のメダカを発見し、薄黄金、黄金、濃黄金の3パターンに分類し累代をしていきました。
これが「黄金メダカ」の成立ちです。

②その中の濃黄金系の系統から琥珀色のメダカを発見し、固定化したのが「琥珀メダカ」です。

③琥珀メダカの中から朱赤色のメダカを発見し、それを固定化したのが「楊貴妃メダカ」です。

元の茶色のメダカから黄金、琥珀、朱赤と色が変化していったのは、メダカが持つ黄色素胞の変化によるものと考えらます。

その変化を見極めていく目があったからこそ、楊貴妃が誕生したと言えるでしょう。

ちなみに同じ時期に、他の地域でも同じような朱赤色のメダカが生まれていたので、人々の手でメダカを飼育を続けていくことで、少しずつメダカ達に変化が起き始めていた時期なのかもしれませんね!

楊貴妃メダカの特徴

楊貴妃は普通体型で、体色は朱赤のメダカです。

ラメや体外光、ヒレの変化などもない、あまり改良が進んでいない部類のメダカであり、とてもシンプルなメダカです。

それゆえにとても丈夫で、飼育もしやすいメダカですので、初心者の方にとてもおすすめです。

近しい色味のメダカとして、ヒメダカも有名です。

しかし、ヒメダカと楊貴妃を比較すると、ヒメダカは黄色、楊貴妃は朱赤(オレンジ)と色味は異なります。

色の濃さをとるなら楊貴妃を選んだ方が良いでしょう。

楊貴妃メダカの寿命と体の大きさ

楊貴妃を含めたメダカの寿命の目安は2~3年です。

ただし、4~5年生きる長生きの個体もいます。

寿命を迎えるまで長生きしていると、楊貴妃の大きさもそれなりになっていき、最大で4cm~5cm弱までになります。

産卵が可能になる成魚サイズでおよそ3cmなので一回り大きいなと感じると思います。

4cm程度まで成長するとメダカっぽくないと感じる方もいるかもしれませんね!

寿命を迎える前のサインは、病気でもないのに段々と食が細くなっていくことです。

他にも背骨が曲がってしまい、うまく泳げなくなったりします。

人間が歳をとっていくのと同じような感じですね!

そうして少しずつ痩せて、ふらふらと泳ぐようになり、やがて最期の時を迎えます。

2~3年の寿命というととても短く感じるかもしれませんが、自然界のメダカの寿命は1年~1年半くらいですので、十分長生きしていると言っていいと思います。

長生きしてもらえるように、最期まで可愛がってあげてもらえたら、私はとても嬉しいです。

楊貴妃メダカの値段(相場)

楊貴妃の値段の目安は1ペアあたり400円~1000円程で販売されています。

流通量の非常に多いメダカのため、価格は安いことが多いです。

ヤフオクで販売されているブリーダーの方はほぼいないので、購入をされる場合はお近くの店舗やインターネット通販になります。

楊貴妃は、改良メダカ専門店では意外にも取扱いが少ないかもしれません。

専門店で販売されているメダカは、新しい派手なメダカが多いので、楊貴妃のような昔ながらのメダカを扱っている店舗は少ないと思います。

当店では、楊貴妃を常時扱っていますので、実物を見たい方はぜひご覧ください。

楊貴妃を購入しようとした時は、改良メダカ専門店よりもアクアショップやペットショップ、道の駅、産直といった場所の方が置いているかもしれません。

実物を見てから購入したい場合は、お店に問い合わせをしてみてから見に行くのがいいかもしれませんね!

楊貴妃メダカの固定率

楊貴妃の固定率は、100%と言っても良いでしょう。

親の個体とほとんど同じような姿をした子達が生まれてきます。

ただし、生まれて間もない時期はまだ色は薄く、成長して時間が経つにつれて段々と赤が濃くなっていきます。

その中でも、少しずつ赤の濃さに違いが出てきますので、赤の濃さにこだわっていきたい方は、少しでも色の濃い子を次世代の親に選んでいってください。

赤が強くなりやすい個体は、お腹の縁も赤く染まっていることが多いです。

そうした個体を残していくと、赤が強い楊貴妃に仕上げていくことができるようになるでしょう。

楊貴妃メダカの育て方

楊貴妃の育て方で特別気を付けることはありません。

他のメダカを飼育したことがある経験者であれば、同じように飼育をしていただいて問題ありません。

初めてメダカを飼育する方は、水量の多さと水換え、餌の量を意識しましょう。

飼育の基本について解説した記事がありますので、以下のリンクを参考にしてください。

メダカの飼い方の基本の解説はコチラ!

楊貴妃と紅帝の違い

楊貴妃と紅帝の違いは何ですか?と、よくご質問があります。

「楊貴妃と紅帝の違いは、色が薄いのが楊貴妃で濃いのが紅帝です。」「とても色の濃い楊貴妃ができたので、これは紅帝と呼んでも良いだろう。」こういった説明がありますが、これは正確には誤りです。

たしかに、一般に流通をしている楊貴妃と紅帝を比べると紅帝の方が色が濃いことが多いと感じます。

しかし、楊貴妃にもとても色の濃い楊貴妃はいますし、紅帝にもとても色が薄い紅帝もいます。

結論を言いますと、生まれてきた過程(ルーツ)が違うということになります。

楊貴妃は「めだかの館」さんが作られたメダカで、紅帝は栗原さんという方が作られました。

楊貴妃の成立ちについては、「楊貴妃メダカとは?」の項目をご参照ください。

紅帝について解説をしていくと、紅帝は楊貴妃が生まれた場所とは別の場所で生まれていた朱赤メダカをベースに選別、累代をされたものです。

そのため、楊貴妃の血は全く入っていないメダカです。

厳密に言えば、体色の構成要素は楊貴妃と同じで、広い意味では実質楊貴妃とも言えるのかもしれませんが、別の系統で作られたメダカとして、別品種として分けられています。

(メダカの世界では、同じ見た目でもルーツが違うと違う名前で呼ばれている品種が多くいます。

詳しく知りたい方以外は、そういうもんなんだな~という認識で良いと思います。)

実際、紅帝は赤の色揚がりが良く、比較的濃い色になる個体が多く現れるので、楊貴妃とはまた違った細かな要素の違いもあるのかもしれないと感じます。

まとめると、楊貴妃と紅帝の違いは生まれた過程(ルーツ)の違いであり、色の濃い薄いで呼び方が変わっているわけではないということです。

楊貴妃メダカを赤く色揚げする方法は?

楊貴妃の飼育でこだわる方はより赤い楊貴妃を目指したいと思うでしょう。

では、楊貴妃をより赤くするためにはどうすれば良いのでしょうか。

方法は2種類です。

とにかく赤い子同士で累代、選別をしていくことと、色揚げ用の餌を使用することです。

赤い子同士で累代をして遺伝的に赤を強くしていく

まず一つ目の方法は、とにかく赤い子を親にしていく方法です。

この方法は非常に時間がかかりますが、その血統全体の成績が上がっていくため、綺麗な個体をどんどん増やしていくことが可能になります。

良い親を入手できれば良いわけなので、優秀な楊貴妃を飼育しているところから購入をすることで近道をすることもできます。

しかし、その場合は楊貴妃といえどなかなかなお値段になる可能性が高いです。

お値段は少しかかってしまいますが、この方法ですと優秀な遺伝子を継続していくことが可能になるため、どちらかといえば優秀な親を入手する方法をおすすめします。

とにかく赤い楊貴妃…こんな個体を手に入れることができれば、自分のお家でも極上の朱赤メダカを育てることができて、とても楽しいと思いますよ。

色揚げ用の餌を使用する

もう一つは色揚げ用の餌を使用することです。

色揚げ用の餌にはアスタキサンチンという成分が配合されています。

これは体が赤くなる成分なのですが、主にエビやカニなどが持っています。

鮭が本来は白身魚なのに体が赤くなるのは、エビやカニなどを食べてアスタキサンチンを大量に摂取、蓄積しているためです。

鮭の体を赤くするように、アスタキサンチンを含む餌を与えることでメダカも赤くしていこうというのが色揚げ用の餌なのです。

楊貴妃などの朱赤色のメダカに色揚げ用の餌を与え続けることで、少しずつではあるものの、より濃い赤色にしていくことができます。

ただし、色揚げの餌で赤くなった体色は遺伝はしていかないため、次世代も色揚げ用の餌で飼育をしていかないと、なかなか濃い赤の個体は育てられないかもしれません。

これが累代することで遺伝的に赤が強くなっていく方法と、餌によって色揚げしていくことの違いです。

可愛らしい赤色の楊貴妃を飼育してみよう!

楊貴妃は飼育の難易度も低く、初心者の方も飼育がしやすいメダカです。

親とほとんど同じような個体が生まれてくるため、選別の手間もありません。

一方で、とにかく濃い赤を目指していこうとすると、なかなかに極め甲斐のあるメダカだと思います。

初心者でも上級者でも楽しめる、そんなメダカが楊貴妃です。

様々な派手なメダカを育ててきた上級者が、一周回って帰ってくるのも楊貴妃です。

そんなどんな層にも愛されている素晴らしいメダカだと思っています。

横見の飼育も愛らしいと思いますし、上見でビオトープにいてもとても映える色をしています。

当店でも楊貴妃は扱っていますので、お店で見てみたい方はぜひ見てください。

オンラインショップでも販売はもちろんしていますので、遠方の方はぜひそちらからご購入してください。

どんな飼育スタイルでも馴染んでくれる楊貴妃をぜひ飼育してみてください。

楊貴妃の購入はこちらのページから!